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院内コミュニケーション

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院内コミュニケーション

『ベッツワンプレス 2013秋号（Vol.36）』掲載分

院内コミュニケーション
ペットウェルネス明賢corp主宰／大阪ぺピイ動物看護専門学校講師 牧田 明美

「うちのスタッフは元気がないんです」「もっと前向きに仕事をしてもらいたい」そんな声が動物病院の現場、特に経営者や院長先生からよく聞こえてきます。院内コミュニケーションは良好ですか？院内の雰囲気はいかがでしょうか？院内のコミュニケーションが良好であれば、そのまま良い雰囲気が業務にも影響し、スタッフのやる気にもつながるはずです。

動物病院スタッフの大多数を占める20代前半から半ばの世代は、真面目で教えられたことは再現することが出来ますが、 「どのようにしたら病院の売上が上がるのだろう？」というように業績への貢献を意識して自ら考えて動くことは苦手です。叱られて育ってきていないので厳しく指導をすると辞めてしまう傾向もあります。そんな彼らに戦力として活躍してもらうためにコミュニケーションを指導する必要性が高まっています。

“コミュニケーションを指導する”とはどういうことでしょうか？「挨拶は大切だ」「明るく元気に返事をしよう」など、それらを言い伝えるだけでは十分ではありません。本人が体験し、納得できるような気づきの場を与え、自ら目標を持って進んで行動できるよう導くことだと思います。

近年、人の医療では、現場対人力を向上させる為のコミュニケーションセミナーが盛んになっており、動物医療の現場でも注目され始めています。このようなセミナーは、一方的に聴くだけの「座学セミナー」ではなく、実際に体を動かし、体験する形式で進められるため、気づきの場としては最適です。またペアワーク、グループワークを中心に構成されるため、普段会う機会がない他院の看護師の皆さんと意見交換できるというメリットもあります。

昨年から、東京・大阪・名古屋と院内コミュニケーションセミナーを開催してまいりました。参加者の中には、初めは「院長先生から行けと言われて来た」という受け身の方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が最初の30分でグループワークに溶け込んでくださいます。またセミナーの最後には「自分自身が周りにどんな影響を及ぼすかが大切なのですね。明日からポジティブに頑張ります」と言って帰ってくださいます。病院で時間を作って院長・リーダースタッフを中心にして、みんなでコミュニケーション力の向上に取り組みましょう。飼い主様から愛される素敵な病院作りは院内コミュニケーションからスタートするのです。

院内コミュニケーションを円滑にすることを目指し、
スタッフ全員で行っていただくと良いワークをご紹介します

【相手が喜ぶことを探すワーク】
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  1. （1）朝礼時にその日のペアを決める。
  2. （2）今日、どんなことをしたらペアの相手が喜んでくれるか考える（数分間）。
    　例）「今日は、手術が立て込んでいるようだから、代わりにお昼を買ってきてあげる」
    　　　「保定が苦手なようだから、休憩時間にレクチャーしてあげる」など
  3. （3）それを今日一日の目標としてみんなの前で発表する。
  4. （4）1日の終わりにその目標が達成できたかどうかみんなの前で発表する。
    　達成できなかった人は「次にどのようにしたら、その目標が達成できるのか」についてその場で考え、発表する。

〈このワークの効果〉
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  • ●他のスタッフのポジティブな発表を聞くことができ、前向きな気持ちで一日をスタートすることができます。
  • ●1日の目標を立てる練習、その目標に向かい道筋を立てて行動する練習になります。
  • ●相手目線で考えて行動する力、状況を読んで行動する力を養うことができます。
  • ●自ら飼い主さんの喜びを見つけ行動できるスタッフの育成につながります。
  • ●ペアの相手がどういう仕事をしているか把握していないと目標を立てられないため、院内業務の理解を深める効果もあります。
  • ●目標が達成できなかった場合に、自らの行動を分析し、修正する練習ができます。

院長先生やリーダースタッフの方を中心に、率先して場の雰囲気を明るくポジティブに作って実践して下さい。他のスタッフの見本になることが大切です。同じ課題に取り組むことで全スタッフの考えを共有することが出来、チームワークが向上し一石二鳥です。

National Anger Management Association／Anger Management Specialist I
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会／アンガーマネジメントファシリテーター／アンガーマネジメントコーチ
社団法人行動科学マネジメント研究所認定／行動科学マネジメントホルダー
ペットウェルネス明賢corp主宰
大阪ぺピイ動物看護専門学校講師
牧田明美
カナダ・アメリカにてドッグトレーニング・ペットマッサージを学ぶ。1998年から飼い主向けのプライベートレッスンやグループレッスンを行い、ペット関連業者向けのセミナーを開催。2006年から7年間、動物病院にてマネージャーを勤めスタッフ育成に携わる。2010年より大阪ペピイ動物看護専門学校講師に就任。「ペットマッサージ」「院内コミュニケーション指導セミナー」を担当する。
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