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卒業研究レポートの紹介

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卒業研究レポートの紹介

『ベッツワンプレス 2013春号(Vol.34)』 掲載分

卒業研究レポートの紹介

平成24年 卒業生の作品から

大阪ペピイ動物看護専門学校動物看護研究学科では3年次に卒業研究を発表しています。
アンケートにご協力いただきました病院様におかれましてはこの場をおかりして御礼申し上げます。

今回は長谷川 実咲さんの「猫の保定における洗濯ネットの必要性」をご紹介します。
本来スライドでのプレゼンテーション用のレポートですので、本誌面に掲載するにあたり表現の仕方を一部変更しています。


動物病院での動物看護師の仕事内容に動物の保定が挙げられ、その中でも猫の保定は苦手意識をもつ人も少なくありません。そんな猫の保定をスムーズにする方法に道具を使った保定法があります。
大阪ペピイ動物看護専門学校では洗濯ネットを使用した保定法を学ぶ機会が少ないため、アンケート調査を行い、動物病院で洗濯ネットはどのように使われているのかと洗濯ネットに対する飼い主さんのイメージを調べました。
洗濯ネットに対するイメージはあまり良くないため、洗濯ネットの必要性を理解してもらい、イメージアップにつながれば良いと考えています。

大阪ペピイ動物看護専門学校の1・2 年生を対象に洗濯ネットの飼い主さん立場でのイメージについてアンケート調査しました。

  • 大阪ペピイ動物看護専門学校の教員及びJ V C 加盟動物病院を対象に動物病院での洗濯ネットの利用状況についてアンケート調査しました。


学校飼育猫バニラに協力してもらい、洗濯ネットを使った保定法を実施しました。

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ペピイの1・2年生を対象にしたアンケートでは、洗濯ネットに対するイメージは悪い、または洗濯ネットを使う理由も知らないと答えた割合が多くみられました。その一方で、ペピイの教員およびJVC加盟動物病院を対象にしたアンケートでは、調査した中で7割の動物病院で洗濯ネットが利用されていました。


洗濯ネットの使用目的は、暴れる子の保定と逃亡防止のために使われていて、利点には逃亡防止と処置がしやすいという意見が多くみられました。
欠点では治療部位が出しにくいという意見が多くみられました。

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アンケート調査を元に、顔周りの診察時、前肢採血時、後肢採血時、皮下注射時についての保定法を実施しました。顔周りの診察時の保定では、顔だけ出すことで前肢からの 攻撃を防ぐことができます。
前肢採血時の保定では、前肢のみ出して頭を包むことで、咬まれることを防げます。
後肢採血時の保定では、洗濯ネットに入れたまま横臥位にする際に、肢の間に指が入れにくく、洗濯ネットから肢を出すときにも持ちにくくなります。
皮下注射時の保定では、洗濯ネットに入れていることで、逃亡の危険が軽減し、安定して保定ができます。


飼い主さんは洗濯ネットを使う理由を知らず、洗濯ネットに対するイメージは悪いため、多くの動物病院では、使う理由などを説明することで飼い主さんの気持ちに配慮し、洗濯ネットを使った保定の必要性を理解してもらおうとしています。

  • 洗濯ネットを使った保定は治療部位が出しにくいという欠点がありますが、逃亡防止や処置がしやすくなるといった利点は大きいため、安全性の高い、スムーズな診察を行うことができると考えています。

  • 飼い主さんの洗濯ネットに対するイメージは悪いが、逃亡防止や処置のしやすさといった必要性を飼い主さんに説明し、洗濯ネットのイメージをよくしていくことで、飼い主さんの協力も得ることができ、安全で円滑な診察を目指すことができると考えています。