ペピイでは、たくさんの読者様からお便りを頂戴します。 中には、質問や相談もあります。今回はその中でも多く寄せられる猫の飼い主さんのお悩みについて尾形庭子先生にお伺いしました!
我が家の愛猫は椅子、ソファー、ベッドで爪とぎをします。
もちろん、ダンボールやカーペット、麻縄など爪とぎはたくさん置いています。が、爪とぎが動いてしまってうまく使えないようで、固定してみてもすぐに端っこから噛みちぎって破壊してしまうので、誤飲も心配なのであきらめました。
タオルやブランケットでカバーして凌いでいますが、なんとかやめさせるいい方法は無いでしょうか?
完全に消滅させることはできませんが、対象をそらすことで、家具を守ることは必要ですね。すでにたくさんの爪とぎ板が用意されていると言うことですから、その材質、設置場所、設置方法を見直してみましょう。猫が好んで使っている材質に絞って爪とぎ板を準備すること、使用後表面が古くなった物は定期的に取り替えること、設置場所は猫が好む家具の近く、です。また安定して爪とぎができるよう固定された設置で、猫の好みに応じて垂直方向に立たせた状態、または平面になります。これらを満たした上で、次に爪とぎされたくない場所にアルミ箔や金網、両面テープなど猫が嫌がる物を一時的に貼って、猫の対象をそらせて行く作戦を根気よく続けることです。またかかりつけの動物病院で入手できるフェロモン製品を同時に使用することも時に助けになります。
次に猫によっては遊びの一環で爪をとぐこともあるので、猫じゃらしや動くオモチャを使って猫を十分に運動させること、留守中は家具のある部屋に猫を入れないことなども合わせて実施する必要があるでしょう。
うちの猫はなんでもすぐに噛みついてしまいます。
だから飼い主の手や足は傷だらけです。おそらくまだ母乳が必要な幼いころに親とはぐれてさまよっていたようだったので、兄弟と噛んだり噛まれたりという経験がないために「噛まれると痛い」ということがわからないのかなぁと思っています。ごろごろしていても急にカプっ、人が歩いていると足首にカプっ。
必ずかんだ後はしかっているのですが、それがどうも「けんかをうられている」ように判断して尻尾をたてて威嚇してきます。噛み癖はどのようにしつけていけばいいでしょうか?
ここでは、もっとも一般的な方法をご紹介しますが、試してみても改善しない場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。
まず、ゴロゴロしていても突然噛んでくる場合、猫の様子や表情にもう少し注意を払ってみましょう。噛まれるヒトはいつも同じですか?噛まれる直前に猫を撫でていますか?あるいは猫を膝の上に乗せている時ですか?噛まれながらも毎回同じパターンを繰り返していると、猫自身も無意識のうちに同じ行動を繰り返してしまうので、パターンを変えることが重要です。たとえば今後はゴロゴロしても同じような手順で撫でない、以前噛まれたときと同じ体の部位をさわらない、というように事前予防に時間をさいてください。
次に足首に噛みついてくる場合ですが、これは猫が動く標的を探して狙っている可能性が大です。つまり、足首の代わりに動く標的を提示してやる必要があります。猫じゃらしやネズミの形をしたオモチャ、最近ではiPadなどAppに猫用ゲームもありますので、それらを使って猫の生活環境を充実してあげてください。 最後に最も効果のうすい方法は噛まれた後に、叱ることです。対策が後手に回っていては猫であっても犬であっても学ばないどころか、むしろここに書かれているように、動物は往々にして攻撃的に自己防衛することを学んでしまうので、とっさに出る「痛い」「あっ」という声はまだしも、噛まれたからといって決して叱らないでください。
私は実家はマンション(3LDK)でオス成猫3匹、私のマンション(ワンルーム)ではメス成猫2匹を飼っていますが、実家の子たちは仲が良いのですが、私の家の子たちは最近傷を負うような喧嘩をするほど仲が悪くなってしまいました。最近の頃はとても仲良しで、1つのケージで一緒に暮らしていましたが、今では同じケージに入れることもできません。ワンルームなので、なんとか仲直りして欲しいのですが、良い方法はありませんでしょうか?
又、多頭飼育をする上で、何か注意したらいいことがあれば、教えてください。
一般に雄猫同士よりは、雌猫同士の方が多頭飼育に向いていますので、ここまでの情報から推測するとお宅の猫ちゃんの関係は改善する可能性がだいですね。外因性でもっともよくある例は、何かの拍子にどちらか、または両方の猫が大変驚き、恐怖を感じて、お互いに八つ当たりしていしまうことです。 しかし、残念なことに、きっかけは八つ当たりでも、そのよう状態が長く続くと猫同士の関係そのものが悪化することはいうまでもありません。そのため、真っ先に行うことは両者を離して、まず平穏な毎日を送らせ、各猫を落ち着かせることです。
一旦両者が落ち着いたら、新しい印象を互いに持ってもらうために(古い記憶をできるだけ忘れてもらうために)、ドアやケージなどで隔てた状態でお互いの好物を与えてみてください。根気よくこのステップを続けると、もともとなじんでいた相手だけに、次第に相手への印象が好感へと戻っていく可能性が高いです。一方せっかく仲直りさせても同じようなきっかけがあると、また八つ当たりが再発することも少なくありません。
たとえば実家に雄猫がいるということですから、彼らの臭いを衣服などでうっかり持ち込んでしまっているのかもしれません。実家に帰った日は念のため猫をさわる前に衣服を着替えた方がいいでしょう。上記ステップを踏んでもいっこうに改善しない場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。
我が家は猫が現在5匹います。
♂♀の兄弟猫2頭(3才)と♂(2才)、♂(1才)、つい最近保護した♂(2ヶ月)です。みんな生後2ヶ月くらいの頃に保護した子たちです。唯一の♀の子が2歳になったころからちゃんとトイレでしなくなりました。(大も小も。。。)ちょうど、4頭目を迎え入れたころです。トイレを増やしたり(1頭に1つ)自動トイレにしても、他の子が使うだけで効果はありません。
どうすれば、トイレでするようにしつけられるのでしょうか?
我が家は夫婦二人暮らしの共働き家庭です。昼間は猫たちだけでお留守番をさせています。
特に日中不在にしていると、別の猫を問題猫と誤って決めつけてしまうことも少なくないので、留守中ビデオを設置したり、疑いの強い子を隔離して因果関係を確定する必要があります。次に、どの子か確定したら潜在するかもしれない疾患や痛みの有無をかかりつけの動物病院で調べてもらいましょう。室内飼いの猫は一般に尿石や膀胱炎、肥満による排泄の問題が起きやすいものです。身体になにかしら問題があれば、たとえしつけやトイレの数を増やしてみても、問題は解決しません。
ここまでのステップで幸いこれといった問題が見つからなかった場合、次に考えられるのはトイレの設置環境と猫同士のコミュニケーションのおさらいですね。多頭飼いであれば、特定の猫同士の相性が合わないことも少なくありません。あるいは、別の猫同士が頻繁にケンカをするため、当該猫がその声や騒々しさにストレスを感じていることも少なくありません。仮にこの雌猫が不適切な場所で排泄する猫と確定された場合、その子と雄4頭の交流はどうなっているでしょうか。お互いまったく見向きもしない、あるいは互いにいじめたり、追いかけ回しているなど、猫同士の関係をしっかり見直す必要があるでしょう。その結果特に飼い主不在時、雌猫が安心して暮らせる環境が整っていないと考えられた場合は、雌猫専用の食器、寝床、トイレ、なわばりなどを用意して日中雄猫とは別部屋で安心させてやることも選択肢のひとつでしょう。
※今回4つのケースについては、どれも体に獣医学的な問題がないことと、多頭飼育の場合も、全頭不妊・去勢手術がなされているという前提の基、お答え頂きました。