仙台市被災動物対策救護本部
(仙台市動物管理センター、仙台市獣医師会NPO法人エーキューブ、ハート to ハート)
うちの子と再会できる備えを
被災動物救護対策本部は仙台市動物管理センターと仙台市獣医師会、2つの動物愛護ボランティア団体が発足させました。そして現在、管理センターでは飼い主の見つからない犬猫の保護や譲渡会を中心に活動しています。
「その後、被災動物として保護される動物たちは減ってきているものの、保護数はまだまだ多いです」と語る千葉所長の口調には、改善に向かいつつも、解決しきれない現実が垣間見えました。
「猫は、飼い主さんが失踪届けを出さない傾向にありましたが、震災をきっかけに探す方が増えました。ただ、見つかっても自分の猫かどうかわからずに困る事例が多発しました」そんなときに有効なのが「迷子札」や「マイクロチップ」。
「連絡先がわかるので、万が一の時でも見つけやすいです。目印になる首輪や全身がわかる写真があるだけでも違います。完全室内飼いなら、さらに安心ですよね」
迷いネコが増えると、不幸な出産につながります。
不妊去勢治療も考えて欲しいことのひとつだそうです。
人慣れしていて、ケージにも抵抗の少ない成猫たち。
仙台市動物管理センター
千葉茂 所長/亀田由香利 主幹
「是非、迷子札やマイクロチップをつけてあげてもらいたいですね」
飼い主不明の犬猫の譲渡会も継続中。
成猫の里親さん募集中!
犬の譲渡が進む中、猫はなかなか譲渡先が見つからないのが現状です。
「まだ、子猫は人気なのですが、成猫にはなかなか応募がないんですよね。成猫は一度飼われていますから人に慣れているし、ケージにも慣れているので、飼いやすいのに・・・」とおっしゃる亀田先生に案内され、私達は保護中の成猫達がいる部屋へ。
「みんな人懐っこいので飼われていた子達だと思います。早く新しい飼い主さんを探してあげたいですね」
仮設住宅への支援も継続します。
仙台市は仮設住宅への同伴入居を認め、現在は170頭が暮らしています。
その一軒ずつに健康管理に使える『どうぶつ手帳』を発行するなど、救護本部と共に、被災された飼い主さんと犬猫達を支える活動の努力を続けていかれるそうです。
被災猫の里親さんインタビュー
私も被災地のためにできることをしたかったんです。
津熊ウータン&里美さん(大阪府)
どうぶつ手帳
仙台の仮設住宅に配布。
自己紹介欄もあって、万が一も安心。
昨年7月末、動物看護師として被災地視察に参加しました。現地で見ないと伝わらないほどの光景に私も力になりたいと考え、被災猫の受け入れを決めたんです。
後日、大阪から仙台の譲渡会に赴くと、子猫は新しい子ばかりでしたが、成猫は視察時と同じメンバーが・・・。そこにウータンはいました。人懐っこい子で私の生活は一瞬で明るくなりました。
被災地は傷はまだ残ると思います。人の幸せが猫も幸せにすると思うので、継続的にできる事をしていきたいです。
初めて来た日から、この調子です(笑)。
仙台市被災動物救護対策本部では、現在も里親さんを募集中
譲渡会についてはホームページでご案内しています。
http://svaas.org/
電話 022-258-1626(受付時間9:00~17:00)
福島県動物救護本部
(飯野町シェルター、三春シェルター)
皆様のご支援のおかげで乗り越えてこられました。
福島県内の二つのシェルターでは、原発事故による警戒区域内から保護された犬猫たちが暮らしています。飯野町シェルターで一度保護し、健康チェックが終わると、三春シェルターに移ることになっています。
お話を伺った福島県庁職員で獣医師の経験も持つ小野主任は、自身も防護服をまとって、警戒区域内の犬猫たちを保護、収容しました。
「5月頃は、毎日10-15頭ずつ保護され、あっという間に約200頭に。当時はたった7人で世話をしていたので健康管理もままならない状態で、正直、本当につらかったです。しかし今は、様々な方面からご支援いただき、物資も足りて、序々に改善されてきました」
現在の保護数は1日に1、2頭。人と同じようにスクリーニングし、1万3000cpmを越えると除染対象になります。
「今のところ、多くて7000-1万cpm程度。犬は542頭、猫は311頭保護した内、飼い主様の元には犬は175頭、猫は119頭戻りました。」
現在は、2つの施設で犬猫275頭を常時12名でお世話していますが、寒い時期や平日など日程次第では人手に不安がでてきます。
「清掃活動が主なお仕事で、余裕があればお散歩に行きます。ボランティアさんは多い時で12、13名も来てくれてとても有難いです」
しかし、余裕がなくて散歩してあげられない日は申し訳ないです。と、お話くださいました。
家族と一緒の生活に戻ることが一番の幸せ
保護した犬猫たちの飼い主さんは判明している場合が多いそうです。
「ひょっとすると来年には家に帰れるかもしれない。そんな判断のつきづらい現状がうちの子を手離せない理由になっています」
三春シェルターで活動している獣医師・渡邉先生は、自身も警戒区域内から避難して来られました。
「住宅事情などで、実際飼いたくても飼えないんです。手離す決心がつかない気持ちは痛いほどわかります」と少し辛そうに話されました。
「やはり一番の幸せは、飼い主さんと一緒にお家で暮らすことではないでしょうか。元の飼い主さんが難しいなら、新しい里親さんでもいいんです。シェルターにいても人と触れ合える時間は限られているので、みんな寂しい想いをしているはず。早く、温かい家族と毎日一緒にいられるようにしてあげたいですね」
難しい状況の中、「できるだけ早く」と誰よりも願っているのは現場の方々だと感じました。
「今後、譲渡対象になる犬猫も増えてきます。ただ、飼い主さんとの話し合いにはまだ時間が必要だと予想されます。運営資金にも心配がありますし、運営期間の見通しも考えていますが、もう少しお時間をいただきたいです。関心を持ち続けてもらえるだけでも現場のスタッフの力になります」と最後に小野主任は語ってくださいました。
ペピイより
福島県を実際に訪れて、「人はもちろん、犬猫にも家庭を」というスタッフの皆様の想いを強く感じました。
ペピイでは、心配の尽きない状況の中でも被災ペット達のために働かれている皆様を少しずつでも応援できればと考えております。
■被災したペットの生活のために。
福島県動物救護本部では活動の長期化が予想されます。
つきましては、ペットの飼育に必要な義援金をお願いしております。
【振込先】
東邦銀行 県庁支店 普通預金
店番号 103
口座番号 1418368
口座名 福島動物救護本部義援金口(フクシマドウブツキュウゴホンブギエンキングチ)
※義援金は全て被災動物のためのシェルター整備や運営等にあてております。
■里親さんも随時募集中。
ホームページより対象動物や条件を必ずご確認の上、
「譲り受け申込書PDF」をダウンロードいただき、郵送、または、FAXください。
※お電話による受付はおこなっておりません。ご了承ください。
※厳正な審査をおこない、選ばれた方にのみマッチングの日程をご連絡いたします。
詳しくはこちらまで
福島県動物救護本部ホームページ
http://kyugo-honbu.fva.or.jp/
ボランティアさんも募集中!