宮城県被災動物保護センター
ビニルハウスの中に就寝用の
ケージが並びます。
宮城県被災動物保護センター
センター長
花園動物病院院長
中川正裕 先生
「朝のケージ掃除は健康状態チェック
も兼ねて欠かしません」
震災前と変わらず大切にしてくれる家族を探して・・・
宮城県被災動物保護センターは県内の保健所で保護した飼い主不明の犬猫の保護や、飼い主は判明しているけれど、仮設住宅で一緒に暮らせなかったり、家の立て替えなどで一時的に飼えない動物たちをお預かりしている2次シェルターです。被災当時の70頭をピークに減少し、現在は17頭がここで暮らしています。
「一時預かりの飼い主さんは自立心を持ってもらうために、最低でも毎月一回、来所いただき今後の予定などを直接確認しています。」と中川センター長。
「飼い主さんが飼えなくなった子や、飼い主不明のわんちゃんは、里親捜しをすることになります。」
時間をかけてマッチングしているおかげで、出戻りは1件もないそうです。
「常時マッチングは受け付けていますが、すぐにお渡ししていません。家族全員に散歩してもらったり、先住の犬猫との相性をみながら、条件を整えられた方にお願いしています。でなければ、人も犬猫も幸せになれませんから」
震災直後は避難所のケアに回りました。
震災直後、同行避難された方の中には避難所に犬猫は入れないと諦めてしまわれることがあったそうです。
「避難所でストレスなく飼育できるように、大きな避難所の長に獣医師会としてかけあって部屋を分けたり対策をとってもらいました。また、犬猫を避難所以外の場所に残しておられる方には、中に連れてきてもらいました」
センターは2012年3月11日に閉所となります。しかし、命に関わる仕事はまだまだ終わりません。
「犬猫のためにも、今回の経験を生かしていきますよ」と強く語ってくださいました。
仙台動物管理センターでは、出産した子も。
仙台市被災動物対策救護本部
(仙台市動物管理センター、仙台市獣医師会NPO法人エーキューブ、ハート to ハート)
保護を継続しつつ仮設住宅でのケアも。
保護動物は愛護センターで。一時預かりのペットは市内の動物病院が分担して保護しました。総数30-40頭。今も何頭か預かっている状況です。
「仙台市の仮設住宅への同伴入居についての要望書も提出しました。一緒じゃないと移らないという意志の強い飼い主さんが多く、少しでも力になりたかったんです」と、獣医師会副会長・小野先生。
「現在、仙台市では全般的に動物の仮設住宅入居が認められ、170頭の動物が同伴入居しています。その1軒ずつに健康管理に使える『どうぶつ手帳』を発行しています」
仮設住宅になっても悩みや問題は残っています。
「もうしばらくは活動を続ける必要があるでしょう。福島の被災動物も何頭か預かりました。助け合いながら復興していきたいです」
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どうぶつ手帳
仙台の仮設住宅に配布。
自己紹介欄もあって、万が一も安心。
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仙台市獣医師会副会長
小野動物病院 院長
小野裕之 先生
「自分が生きるか死ぬかの時でもペットを守る飼い主さんの大志に感動しました」
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福島県動物救護本部
(飯野町シェルター、三春シェルター)
皆様のご支援のおかげで乗り越えてこられました。
福島県内の二つのシェルターでは、原発事故による警戒区域内から保護された犬猫たちが暮らしています。飯野町シェルターで一度保護し、健康チェックが終わると、三春シェルターに移ることになっています。
お話を伺った福島県庁職員で獣医師の資格を持つ小野主任は、自身も防護服をまとって、警戒区域内の犬猫たちを保護、収容しました。
「5月頃は、毎日10-15頭ずつ保護され、あっという間に約200頭に。当時はたった7人で世話をしていたので健康管理もままならない状態で、正直、本当につらかったです。しかし今は、様々な方面からご支援いただき、物資も足りて、序々に改善されてきました」
現在の保護数は1日に1、2頭。人と同じようにスクリーニングし、1万3000cpmを越えると除染対象になります。
「今のところ、多くて7000-1万cpm程度。犬は542頭、猫は311頭保護した内、飼い主様の元には犬は175頭、猫は119頭戻りました。」
現在は2つの施設で犬猫275頭を常時12名でお世話していますが、寒い時期や平日など日程次第では人手不足に不安がでてきます。
「清掃活動が主なお仕事で、余裕があればお散歩に行きます。ボランティアさんは多い時で12、13名も来てくれてとても有難いです」
しかし、余裕がなくて散歩してあげられない日は申し訳ないです。と、お話くださいました。
家族と一緒の生活に戻ることが一番の幸せ
保護した犬猫たちの飼い主さんは判明している場合が多いそうです。
「ひょっとすると来年には家に帰れるかもしれない。そんな判断のつきづらい現状がうちの子を手離せない理由になっています」
三春シェルターで活動している獣医師・渡邉先生は、自身も警戒区域内から避難して来られました。
「住宅事情などで、実際飼いたくても飼えないんです。手離す決心がつかない気持ちは痛いほどわかります」と少し辛そうに話されました。
「やはり一番の幸せは、飼い主さんと一緒にお家で暮らすことではないでしょうか。元の飼い主さんが難しいなら、新しい里親さんでもいいんです。シェルターにいても人と触れ合える時間は限られているので、みんな寂しい想いをしているはず。早く、温かい家族と毎日一緒にいられるようにしてあげたいですね」
難しい状況の中、「できるだけ早く」と誰よりも願っているのは現場の方々だと感じました。
「今後、譲渡対象になる犬猫も増えてきます。ただ、飼い主さんとの話し合いにはまだ時間が必要だと予想されます。運営資金にも心配がありますし、運営期間の見通しも考えてはいますが、もう少しお時間をいただきたいです。関心を持ち続けてもらえるだけでも現場のスタッフの力になります」と最後に小野主任は語ってくださいました。
ペピイより
福島県を実際に訪れて、「人はもちろん、犬猫にも家庭を」というスタッフの皆様の想いを強く感じました。
ペピイでは、心配の尽きない状況の中でも被災ペット達のために働かれている皆様を少しずつでも応援できればと考えております。
■被災したペットの生活のために。
福島県動物救護本部では活動の長期化が予想されます。
つきましては、ペットの飼育に必要な義援金をお願いしております。
【振込先】
東邦銀行 県庁支店 普通預金
店番号 103
口座番号 1418368
口座名 福島動物救護本部義援金口(フクシマドウブツキュウゴホンブギエンキングチ)
※義援金は全て被災動物のためのシェルター整備や運営等にあてております。
■里親さんも随時募集中。
ホームページより対象動物や条件を必ずご確認の上、
「譲り受け申込書PDF」をダウンロードいただき、郵送、または、FAXください。
※お電話による受付はおこなっておりません。ご了承ください。
※厳正な審査をおこない、選ばれた方にのみマッチングの日程をご連絡いたします。
詳しくはこちらまで
福島県動物救護本部ホームページ
http://kyugo-honbu.fva.or.jp/
ボランティアさんも募集中!