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猫のコミュニケーション術 ~あいさつ、あまえ方、ケンカのルールまで~

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猫のコミュニケーション術 ~あいさつ、あまえ方、ケンカのルールまで~

ドクターズアドバイスペピイキャッツ2011春夏号

猫のコミュニケーション術 ~あいさつ、あまえ方、ケンカのルールまで~

猫のコミュニケーション術 ~あいさつ、あまえ方、ケンカのルールまで~愛猫の行動やしぐさの意味、どこまで理解できますか?猫の行動にはまだまだ解明されていない謎も多いとか。今回は、動物行動学の専門家、北里大学の入交眞巳先生に「猫のコミュニケーション術」についてお聞きしました。うちの子の心がもっとわかるようになるといいですね。

猫のあいさつ術
しっぽを上げてからませる|立てたしっぽをからませ合って、ごあいさつ。親愛の情の表現です。
体をすり寄せ合う|しっぽを立てて、お互いにわき腹をすり寄せ合います。これも親愛表現の1つ。
鼻ををかぎ合う|鼻と鼻を近づけて、においをかぎ合って「こんにちは」。耳は立てて、お互い友好的な気分です。

 

一般に、猫は犬のように群れをつくらず、単独生活をする動物だといわれています。
でも、それはあくまで野生の場合のお話。
現代の飼い猫のように家畜化され、食物が十分に確保された環境のもとでは、猫も、グループで暮らしたほうがメリットが多いと感じれば社会を形成します。共同で子育てをする例も見られるほどです。
飼い主さんのなかには、猫を多頭飼育されている方も多いのではないでしょうか?そもそも多頭飼育ができるのも、猫が社会生活のできる動物だからです。成猫どうしの場合、最初はケンカになるケースもありますが、徐々に慣れさせていけば、お互いにケンカを避けながら共存できるようになっていきます。
そして、こうした親しいグループ内の猫どうしの間では、親愛の情を示す「あいさつ」だって交わされているのです。

猫のあまえ術 飼い主さんに体をスリスリ|飼い主さんに頭をすりつけたり、体をこすりつけたり、しっぽを巻き付けたり、独特のスリスリ行動は、親愛のスキンシップ。
鼻と鼻をくっつける|鼻と鼻を合わせるのは、猫どうしの親愛のあいさつ。同様に、飼い主さんが猫の顔の前に鼻を差し出すと、鼻をつけてくれるのは、「仲良しだね」のサインです。
のどをゴロゴロ鳴らす|飼い主さんになでられて、うっとりした表情でゴロゴロとのどを鳴らすのは、「気持ちいいなぁ」という幸せのシグナル。ただし、体調が悪い死の直前にもゴロゴロとのどを鳴らすことがあり、この場合は、「かまってほしい」のサインという説も。
前足でフミフミする|飼い主さんの体や毛布などを前足でフミフミする行動は、子猫時代の母猫の乳房を押す行動のなごり。飼い主さんへの甘えの行動でもあり、心を落ち着かせる効果があります。
布をチュパチュパする|飼い主さんの衣服や毛布などを吸ったり食べたりする行動(ウールサッキングといいます)は、離乳が早過ぎた猫に多く見られるもので、甘えというより、不安の解消行動です。
猫にとって飼い主さんはいっしょに暮らす仲間。

単独生活者だった祖先の野生のヤマネコたちが結ぶ唯一の親密な絆が、母と子の関係だと言われています。そのため、一般に、心を許し合う飼い主さんと猫との関係を「母子関係」に例えることも多いようです。
でも実際のところ、現在の猫は飼い主さんのことをどう思っているのでしょうか?
母猫は餌の調達だけでなく、狩りの仕方も含め、生きていくのに必要な一切を子猫に教える存在。とても、人が代われるものではないでしょう。
もちろん食べ物をくれる飼い主さんに子猫のようにあまえることもありますが、逆に子猫に与えるように、虫やネズミなどの獲物を運んでくることも。また、きょうだい猫のように遊びに誘うこともあります。
飼い主さんは、食べ物や異性を奪い合うことのない、安心していっしょに暮らせる仲間の一員と見ているのかもしれませんね。

猫のマーキング術
尿マーキング|しっぽを立てて、壁や家具などに独特のにおいのおしっこをスプレー。主にオス猫の性行動として行われ、尿中の性ホルモン(テストステロン)が、「僕はここにいるよ!」という異性へのアピールに。尿マーキングは不安やストレスが原因のこともあり、メス猫にも見られます。
ほおずりマーキング|猫が柱や家具などにスリスリとほおずりするのも、マーキングの一種。主に猫の居住スペースである「コアエリア」で行われ、自分のにおいをつけることで、安心できるスペースにしています。
つめとぎマーキング|猫のつめの周辺には臭腺があり、つめとぎは視覚的にも嗅覚的にもマーキングになります。目的はあまり解明されておらず、立ち寄った目印つけのこともあれば、ストレス発散の手段としても行われることも。
猫がマーキングするのは活動範囲の目印。

「テリトリー」とは、動物が食物の確保や生殖のために、他の個体や集団の侵入を許さない、占有エリアのことです。猫は社会生活のできる動物なので、純粋な単独生活者であるパンダのような、正確な意味でのテリトリーは存在しません。
飼い猫が一日の大半を過ごすのは家の中。また外出自在の猫が散歩する(もともとは狩りをする)のも、半径数百m程度の限られた範囲内です。しかし、これらのエリア内への他の猫の侵入を許しているので、テリトリーとはいえません。一日の大半を過ごす場が「コアエリア」、見回りに出かける周辺地域が「行動エリア」といった位置づけでしょうか。
また、猫がテリトリーを守るために行うといわれるマーキング行動も、文字どおり「目印」をつける行為であって、とりたてて縄張りを主張しているわけではないようです。

猫がケンカするのはどんなとき?
威嚇し合う|目が合っても、最初はケンカを避けようとします。背中を丸め、毛を逆立てて、自分を大きく見せようとする威嚇のポーズで、様子を見ます。こうしてどちらが立ち去れば、ケンカは回避できます。
【一方が逃げる、または防御体勢を取れば、勝敗決定!】「参りました・・・」の防御体勢|耳を後に伏せ、体を低くし、しっぽを巻いて、うずくまります。「参りました」のサインです。
目と目を合わす|じっと目を見つめるのは、猫にとって敵対行為。一方が目をそらせば問題ありませんが、でなければケンカに発展しかねません。
【どちらも譲らなければ、ケンカへ・・・】「やるぞ!」の攻撃態勢|耳を立て、シッポは下げて、頭を左右に振ります。「俺のほうが強いぞ!」というサイン。わずかな刺激で飛びかかり、ケンカが始まります。

猫どうしでも、犬同様に社会を構成すれば、当然、そのなかで「上下関係」も出てきます。犬同様、その場その場で関係性が変わるのも同じです。
どちらが強いか大きいかだけでなく、そのとき、どちらが空腹だったか、どちらがケンカを避けたい気分だったか・・・など、性格やタイミングによって、そのつど譲ったり譲られたりしながら、無用なケンカは避けようとします。
もちろん、どちらも譲らなければ、ケンカに発展することもあります。