犬は意外と足腰が弱いってホント?
滑りやすいフローリングの床には
カーペットを敷くなどの配慮を
人よりはるかに走るのが得意な犬ですが、実は足腰はそれほど強くはありません。むしろ二足歩行の人のほうが足にかかる負担が大きく、その分、関節は犬より丈夫にできているようです。
犬の骨・関節のトラブルとしては、ゴールデンやラブラドールなどの大型犬に多い「股関節形成不全」、小型犬によく見られる「膝蓋骨脱臼」、ダックスフンドやコーギーなど胴長犬種に多い「椎間板ヘルニア」などが代表的。それぞれどんな病気か、見ていきましょう。
骨・関節のトラブルには先天性のものも少なくありませんが、肥満、滑りやすいフローリングの床、ソファからの飛び降りなど、飼育環境も発症の大きな引き金になります。飼い主さんは、日頃から、愛犬の骨・関節に負担をかけない環境づくりを心がけてください。
case1 股関節脱臼・股関節形成不全
股関節は、骨盤にある寛骨臼というくぼみに、大腿骨頭(大腿骨の先端で、球状をしている)がすっぽりと入り込んだ構造をしています。「股関節脱臼」とは、事故や打撲などの衝撃で、大腿骨頭と寛骨臼をつなぐ円靭帯が切れて、大腿骨頭がはずれてしまった状態のことです。痛みのために足が地面につけられないことも。
「股関節形成不全」は、股関節の発育状態が悪く(多くは先天性)、寛骨臼のくぼみが浅かったり、大腿骨頭が変形していたりで、股関節がしっかりとかみ合わず、つねに亜脱臼の状態にあるもので、重症化すると完全に脱臼してしまうこともあります。
case2 膝蓋骨脱臼
膝蓋骨(膝のお皿)は、靭帯に支えられて大腿骨の滑車溝という溝に乗っています。膝蓋骨が滑車溝を動くことで、膝を曲げたり伸ばしたりがスムーズにできるわけです。「膝蓋骨脱臼」とは、膝蓋骨がこの滑車溝からはずれてしまうもので、原因は、先天性のものもあれば、外傷や骨の栄養障害など後天性の場合もあります。
はずれたときには、スキップするような独特の歩き方が見られますが、初期の段階では、はずれてもすぐに自然に元に戻るため、飼い主さんが気づかないことも多いようです。進行するにつれ、頻繁にはずれたり、元に戻らなくなっていきます。はずれた状態が長く続くと、膝蓋骨を支える靭帯に負担がかかって伸びたり切れたり、また大腿骨や脛骨が変形したりもします。
case3 椎間板ヘルニア
脊椎(背骨)は、複数の椎骨が連なって構成されています。椎骨と椎骨の間には「椎間板」と呼ばれる軟骨組織があり、クッションの役割を果たしています。そして、椎間板の中心部はゼリー状の髄核からなり、その周辺は線維輪で覆われています。
老化や外傷、先天的な要因などで椎間板が損傷し、①内側にある髄核が線維輪を破って外に出てきたり、②外側の線維輪が隆起したりして、脊髄神経を圧迫することがあります。それが「椎間板ヘルニア」です。痛みや運動失調、麻痺などを引き起こし、ひどくなると起き上がれなくなったり、自力で排泄ができなくなることもあります。
世界最速犬種はどれでしょう?
世界で最も走るのが速い犬種をご存知ですか?一般には、ドッグレースで使われるグレーハウンドといわれ、ギネスブックにも認定されています。しかし一方では、グレーハウンドが時速72kmなのに対し、サルーキは77kmで走れるとか、ボルゾイが最速との説も。
いずれにしても、スレンダーなボディと長い脚が特徴の「視覚ハウンド」グループに属する犬たち。優れた視覚と走力で獲物を追う狩猟犬で、短距離走なら野生動物並みのスピードを発揮する"走り屋"です。
水かきのある犬種もいる?
足に水かきのある犬もいます。水中作業を得意とする犬種のなかには、指の間に水かき様の膜を持つものがおり、「webbed feet(水かき足)」と呼ばれています。代表的なのは、カナダのニューファンドランド島沿岸で、漁業犬、水難救助犬として活躍してきたニューファンドランド犬。その他、チェサピークベイ・レトリーバー、ポーチュギーズ・ウォータードッグなど。もっと身近な例なら、プードルも。今でこそおしゃれな愛玩犬ですが、元は鴨漁で活躍した水猟犬なので、名残の水かきを持っています。