犬と猫の腎臓病診療ハンドブック
臨床現場で必要となる犬と猫の腎臓病に関する情報をコンパクトにまとめた臨床獣医師必携の書!
臨床現場で最も頻繁に遭遇する疾患のひとつである「犬と猫の腎臓病」。
腎臓の解剖・生理といった腎臓病の基礎的な知識から各疾患の概要、管理・治療までをわかりやすく解説。
さらに透析などの高度な治療法や心腎連関といった最新の知見も掲載。
日々の診療に役立つ、腎臓病に関する幅広い情報を提供する一冊。
【本書のポイント】
●遭遇頻度の高い疾患からまれな疾患まで幅広く紹介。
診療の頻度が高い急性腎障害と慢性腎臓病に関して、IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)のガイドラインを基本として、検査数値の判断や治療方針を詳説。また、まれな腎臓病についても文献情報をもとに整理。腎臓病に幅広く対応できる知識が身につく。
●治療に際して知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説。
腎臓の解剖・生理や各種検査、全身の異常(水・電解質、高血圧)の考え方について解説。
●食事療法や高度な治療、最新の知見を掲載。
食事療法の目的やノウハウ、透析や腎移植といった高度な治療や、心腎連関といった獣医療分野での新たな知見についても言及。
【目次】
1.腎臓のはたらき
・腎臓の解剖
・腎臓の機能
2.腎臓病の検査
・尿検査
採尿/検査項目
・血液尿素窒素、クレアチニン、糸球体濾過量
高窒素血症/糸球体濾過量(GFR)/GFR値の評価
・酸塩基平衡
酸塩基平衡の基礎知識/体液pHの調節機構/血液ガス分析/血液ガスの変化/腎臓病における血液ガス
・SDMA
バイオマーカーとしての役割/検査結果の判断
3.水・電解質異常
・ナトリウムの異常
体液の分布と組成/ナトリウムイオンの分布と生理的役割/浸透圧調節と体液量調節/低ナトリウム血症/高ナトリウム血症
・カリウムの異常
カリウムの分布と生理的役割/カリウムイオンの調節/低カリウム血症/高カリウム血症
・カルシウム・リンの異常
カルシウムとリンの分布と生理的役割/高カルシウム血症/低カルシウム血症/高リン血症/低リン血症
4.高血圧
・腎臓病と高血圧の関連
・高血圧の発生機序
・全身性高血圧による影響
・血圧測定
・全身性高血圧の治療
5.急性腎障害
・定義・分類
・原因・病態
・犬・猫での発生状況
・診断・評価
・治療
・予後
6.慢性腎臓病
・定義・病態
・病期分類
・診断・評価
・管理・治療
・ステージⅠにおける推奨治療
・ステージⅡにおける推奨治療
・ステージⅢにおける推奨治療
・ステージⅣにおける推奨治療
・各治療のポイント
7.尿崩症
・病態・生理
・原因
・検査・診断
・治療
8.多発性嚢胞腎
・病態・生理
・検査・診断
・治療
9.先天性・家族性腎症
・病態・生理
・検査・診断
・治療
10.糸球体疾患
・発生機序・病態
・検査・診断
・合併症
・管理・治療
11.腎代替療法
・血液透析
原理/適応/方法/合併症/予後
・腹膜透析
原理/利点と欠点/目的と方法/再循環式腹膜透析/合併症/予後
・腎移植
レシピエントの適応と評価/腎移植ドナーの条件/手術手技と周術期管理
12.腎臓病の栄養管理
・CKDにおける食事療法の目的
・CKDにおける食事療法の臨床研究
・食事療法を成功させるためのポイント
13.心腎連関
・心腎連関とは
・心腎連関のメカニズム
・犬・猫での知見
著 :原田佳代子
監修:上地正実
B5判 196頁 オールカラー