飼い犬登録は犬の「住民票」。登録&変更を忘れずに
生後91日齢以上の犬は、居住地の市区町村役所(場)で「飼い犬登録」をしなければなりません。新たに子犬を迎えた方は必ず登録をしてください(手続きを代行してくれる動物病院もあります)。
一回登録すれば、翌年以降、更新の必要はありませんが、飼い主が変わったり転居したり、犬の死亡時には届け出が必要です。
他の市区町村に引っ越した場合は、転出先の役所(場)に、転出前の市区町村で交付された鑑札を持参して変更手続きを。
狂犬病の予防注射は法律で定められた義務です
狂犬病の予防注射は法律で定められた飼い主の義務。春に実施される集合注射か、かかりつけの動物病院で毎年一回必ず受けてください。
狂犬病は、犬だけでなく人も含めたすべての哺乳類に感染し、発症すればほぼ100%死に至る病気です。近年、日本では発症していないとはいえ、世界では現在も多数の死者が出ており、日本への再上陸の危険性もあります。狂犬病の予防注射は、愛犬を守るだけでなく、危険な伝染病のまん延を防ぐ、社会の一員としての責務でもあるのです。
子犬の場合は、まず混合ワクチンを優先させ、その後一ヶ月以上間隔をあけて、狂犬病の予防注射を受けるようにしましょう。
引っ越しは犬にとっても「おおごと」
犬を連れての引っ越しは、まず移動手段の確保から。車か、あるいは飛行機や電車か。公共交通機関を利用するなら、犬の乗車が可能かどうかを確認しておくこと。また、愛犬が長いドライブやクレート(ケージ)での移動が初めてなら、事前に慣らしておくことも大切です。
引っ越し先では、犬もなかなか落ち着けません。自分のにおいのついたものが身近にあると安心するので、前の家で使用していたハウスや毛布をそのまま使い、引っ越し前と同じ環境を作ってあげるといいでしょう。
新しい環境では、粗相やマーキングをすることもあり、一からトイレ・トレーニングが必要になるかもしれません。
引っ越しは、愛犬にとっても不安やストレスの原因にもなります。慣れない間は、できるだけお留守番時間は短くして、家族が一緒にいてあげるようにしましょう。
換毛期の乗り切りは毎日のブラッシングで
オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の両方を持つダブルコート犬種では、1年に2回、春と秋に換毛期があります。とくに防寒のための下毛がごっそりと抜ける春の換毛期は、大量の抜け毛に悩まされます。
毎日のブラッシングで、抜け毛を取り除くとともに、マッサージ効果で皮膚の新陳代謝アップを。皮膚病や寄生虫が増える季節なので、ブラッシング時に、湿疹や脱毛、ノミやダニがいないかなどをしっかりチェックしましょう。耳の中やしっぽの付け根など見逃しやすい場所も忘れずに。
食べ物や水の保管・管理に注意して
夏場は、腐敗や酸化が進みやすくなります。缶詰なら開封したものはそのつど使い切る、ドライフードも開封後は密閉陽気に入れて日の当らない涼しい場所に保管し、1ヵ月程度で使い切るなど、食べ物の保管・管理には十分気をつけてください。
食べ残しはすぐに片付け、食器は毎回洗って清潔に保つこと。水も1日2回以上をめやすに取り替え、いつも新鮮な水が飲めるようにしましょう。
梅雨シーズンはとくに飼育環境を清潔に
ジメジメした梅雨は、カビや細菌、ダニなどが繁殖しやすく、ペット臭も気になる季節。天気の良い日を選んで、犬小屋やベッド、お気に入りのマットなどの洗濯や虫干しをして、飼育環境を清潔で快適に保ちましょう。
忘れていませんか?「おなかの虫」の対策
お出かけが気持ちのいい季節、公園やドッグランなど犬がたくさん集まる場所に、愛犬連れで出かける機会も増えてきます。そこで注意したいのが、犬の腸に寄生するおなかの虫。感染犬の便からうつる回虫や鉤虫、ノミが媒介する瓜実条虫など、犬のおなかの虫は人にうつることも。動物病院で定期的な駆除をしておけば、愛犬のスキンシップも安心して楽しめます。
「ノミ」や「ダニ」は、人にうつって被害を及ぼすことも!
この時期、ノミやダニ・マダニなどの動きも活発になります。寄生されるとかゆいだけでなく、皮膚病を引き起こしたり、様々な病気を媒介したり、人にうつって害を及ぼすこともあります。
皮膚にノミやダニがついていないか、毛が抜けてたり赤くなっているところがないか、こまめにチェックしてください。もし寄生が見られたら、安易に市販の駆除剤を使用せず、総合的な治療と駆除、予防について動物病院で相談しましょう。
「犬フィラリア症」の予防を万全に
フィラリア(犬糸条虫)は、犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫。犬フィラリア症は、感染犬から直接他の犬にはうつらず、蚊が媒介します。感染すると、食欲や元気がなくなり、次第にせき、腹水(お腹がふくれる)、貧血・失神などの症状へと進み、放置すれば命にかかわる病気です。
犬フィラリア症の予防は、蚊の発生時期に合わせて行います。予防薬には、月に1回飲ませる錠剤をはじめ、様々なタイプがあります。予防を始める前には、動物病院で血液検査を受け、感染の有無を調べてもらってください。
予防期間は、蚊が飛び始めて1ヵ月前後(4~5月頃)から蚊が見られなくなって1ヵ月後まで(11~12月頃)がめやす。地域差があるので、獣医師の指示に従い、適切な予防を行いましょう。
体温調節ができなくなる病気
犬は人と違って肉球しか汗腺がないため、汗をかけません。夏場、犬がハァハァと舌を出して苦しそうに息をするのは(パンティングと呼びます)、唾液を蒸発させて、その気化熱で体温を下げようとしているのです。
しかし、気温や湿度が高いと体温はなかなか下がらず、体温を正常に保つことができなくなって、熱中症を引き起こします。
気をつけたいこんな場面!ちょっとした油断が死を招くことも・・・
●日中の散歩
炎天下に外で遊ばせたり、蒸し暑い日中の散歩は危険です。真夏のアスファルトの路面は熱く灼けており、地面近くを歩く犬は照り返しを受けて、人以上に暑さの影響を受けます。また熱中症だけでなく、肉球をやけどすることにもなりかねません。
散歩は早朝か、夜間でも路面温度が下がったことを確認してから行くようにしましょう。外出時には必ず水の携帯を。
●車の中
ドライブやキャンプ、ショッピングまで、愛犬と一緒に車でお出かけする人が増えています。しかし、エアコンを止めて閉め切った車内は、あっという間に高温に。炎天下の夏だけでなく、春や秋でも熱中症の事故が起きています。
「日陰だから」「窓を少し開けておくから」・・・といった油断は禁物。わずかな時間であっても、犬を車内に残したまま離れてはいけません。駐車時は、必ず犬も一緒に連れて出てください。
●閉め切った室内
閉め切った室内も、車内と同様に室温が高くなるので、愛犬だけのお留守番には注意が必要です。真夏の閉め切った室内は、太陽がまともに差し込み、気密性の高い集合住宅では風も通らず、想像以上に室温が上昇します。とくにケージやサークルに入れたままの犬は、自分で涼しい場所に移動することもできずに熱中症になってしまいます。
愛犬だけでお留守番させる場合は、エアコンの使用をおすすめします。冷やし過ぎも体には良くないので、設置温度を26℃前後にして、除湿モードで余計な湿気を取り除きましょう。
扇風機を合わせて使うと室内の空気が循環してより快適に。犬の体にエアコンや扇風機の風が直接当らないように、風向きを調整しましょう。